丹沢縦走Bルート

Aルートはこちら: 丹沢縦走Aルート

本当ならこの連休は大峯奥駈道を歩こうと思っていたんですけどね。天気予報は直前まで粘っても良化せず。雨雪もマズいが、風がもっとマズい。3日間通して10m/sを下回るタイミングがない(本当にゼロ)というのは、さすがに気合でカバーできる領域を超えているよ〜。

と、いうことで、前泊で奈良まで乗り込む予定だった金曜日その日に旅程をキャンセルすることを決断し(新幹線やら特急やらはとりあえず翌週に延期)、冬型気圧配置のときに歩ける場所〜、と思考を巡らせてこのルートに至った。本当は相模原に住んでいるうちにBルートも歩いておきたかったのだけど、年始になんとなくタイミングを逃しているうちにすぐに暑い季節が来てしまい、そのまま引っ越しをしてしまった。

(一応: AもBも自分で勝手に名付けているだけ。相模原から山を繋いで山中湖に到達する、その過程で目ぼしいピークをできる限りたくさん踏んでいく、というコースを組もうとしたらどうしても2通り出来てしまうので、それぞれA,Bと名付けたに過ぎない)

中央線の始発列車に揺られ、八王子経由で懐かしい(もう?)橋本へ。神奈中バスで三ケ木バスターミナルに着き、そこから歩行開始。朝方は天気良く、道志みちはバイクがビュンビュンと過ぎていく。


車道歩きを約1時間こなして、焼山登山口から山に入る。実は登山口手前のバス停を経由する朝のバス便が三ケ木から接続していたっぽいのを知らず、バスには途中で軽快に抜かされていた。まあ、でも、三ケ木から歩き通した方がルート全体として収まりがいいから。
看板のヤマビルの注意が気になる。11月に入って気温は下がってきたけれども、前日は雨。活動的になっていないことを祈るばかり。


黙々と歩いて最初のピーク、焼山へ。頂上標それ自体は樹林の中に設置されているのだけど、


その隣には鉄骨のどでかい展望台があって、上まで螺旋階段を登ると思った以上に眺めがイイ。都心方面を一望できる。手前には宮ヶ瀬湖も。


そのまま主脈を歩き続け、黍殻山(きびから山。最初一文字目は禿だと思っていた)、姫次とポイントを過ぎていく。分岐から袖平山にも寄り道をして、そのおかげで蛭ヶ岳から檜洞丸まで続く主稜線の様子を一望できた。うーん、小刻みなアップダウンがなかなか大変そう。


袖平山から、この山行で初の富士山。冬型で快晴、ということを期待していたのに青空が見えていたのは朝だけで、次第に高曇りの空になってしまった。


主脈に戻って、蛭ヶ岳に到着。昨年のAルートのときはお隣の丹沢山以南に立ち寄ったのみだったので、蛭ヶ岳は約5年ぶり。ここも相模原市緑区に含まれている。相模原市緑区の最高地点にして、神奈川県の最高地点。


相模湾、伊豆諸島も遠望。今回のルートで通過するピークはどこも樹林の中の頂上ばかりで、ここまで開けている頂上は蛭ヶ岳だけだったなぁと終わってから思い至る。蛭ヶ岳でコースタイムを確認したら、予定タイム(6掛け)より2時間も早くて驚いた。前回Aルートは快調に歩けた記憶があるが、今回はそこまで、というかむしろやや鈍重な感覚さえあったのに。


先ほど横から見ていた主稜線を実際に踏んでいく。いざ檜洞丸へ。序盤の下りは結構枯れ枝が張り出していて、バチバチと当たるのが痛い。すれ違う人々はトレランの装いの人がちらほら、という感じ。"主"稜線と言えど奥深いところにあるので、あまり人が多く入っているわけではないのだろう。


臼ヶ岳に立ち寄り。蛭ヶ岳と、丹沢山方面に続いていく主脈稜線。目で見るとそこそこ紅葉がいい感じなのだけど、スマホのカメラだとなんか灰色っぽくて、微妙になっちゃうなぁ〜。


檜洞丸に到達。ヒノキボラマル、漢字だとそれっぽいけど、カナに起こすと異様な感じがしてくる山名。忍者の名前? 


木々の隙間からまだギリギリ富士山が見える。ここも色付いた葉と富士山と秋っぽい雲の形がいい感じなのだけど、まあスマホのカメラだからこんなもんで。かといってミラーレス一眼を持ってくれば良かったという気持ちには全然ならない。(重いから)


急勾配の下りがなかなか膝に堪えるけれども、何とか歩き通して箒沢へ。今回は中川温泉に泊まることにしたので、ここから下流方向にさらに4km歩く。そういえば、結局、非車道区間でもヒルの気配は皆無だった。もうヒルたちもシーズンオフのよう。
中川温泉は前から泊まりたかった場所で、温泉は本当に良かった。一人だと食事付きのプランがなく、泣く泣く持ち込んだおにぎりや柿ピーで夜を済ませたのが切ない。


温泉に浸かり、よく眠れて、疲れもぼちぼち取れたかなという翌朝。西丹沢から大室山に登り、そこからひたすら神奈川・山梨の県境稜線を歩き、山中湖に辿り着くという一日になる。まずは犬越路から大室山へ、と思っていたらいきなり用木沢で渡渉アリ。それも二度。靴を濡らすほかなく、苦しいスタート。(ここも東海自然歩道の一部なのに。自然歩道って易しそうに聞こえるけど渡渉アリなんかい)


犬越路で濡れた靴下を交換した。大室山へ標高を上げていく。今日も富士山はよく見える。


用木沢出合から犬越路まで約2.5km、犬越路から大室山までまた約2.5km、と何だかペースを掴みやすい、程良い距離感で、あっという間に大室山に辿り着いた。昨日の最高地点は蛭ヶ岳、今日はここ大室山が一番高い。この時点で6掛けの予定コースタイムをまた1時間リードしている。


加入道山へ進んでいく。今回のコース上で一番の富士山ビュー。もう少し空がスッキリ明るければなぁ。今日もまた次第に高曇りになってしまった。


県境稜線を黙々と歩き通し、畦ヶ丸に到着。アゼガマル、これもまた忍者っぽい名前。稜線はほんの時折人とすれ違う、というくらいだったがこのピークは結構賑わっていた。SOYJOYを1本食べてエネルギー補給。


畦ヶ丸から東海自然歩道に復帰するらしい。(大室山方面は外れている)
ここから先、高指山方面への距離感をなんとなく掴む。このキロ数を頭に入れていたから、


分岐の菰釣山まで6.9kmという表示を見て驚いた。後々の看板では正しい距離表示になっており、東海自然歩道の看板との整合を加味するとこれは"5.9km"の誤りのよう。長い距離を歩いていると、むしろこういう1kmやそこらの違いに敏感になる気がする。


少し登り返す菰釣山。この先はこの高さのピークは出てこないので、ここで一息という感じがする。前日に続き、この時点でコースタイムには2時間のリードを付ける。予想以上に歩けている。


なんか紅葉のトンネルみたいな写真を全然撮っていないなと思い至り、慌てて無理やり撮った図。雑すぎて心霊写真みたいに見える。


長かった稜線歩行もここまで。高指山まで歩き通して、麓に降りていく。高指山も悪くないけれど、その一つ手前の富士岬平の方が富士山の眺めは良かった。麓と言っても山中湖周辺は標高が高いので全然下りた気はせず、そのまま石割の湯に浸かって、クタクタになった身体を癒した。


平野から湖畔まではすぐなので、また湖面タッチをしにきた。これが海なら海抜ゼロメートルに到達、という写真になるけれど、実際は980m地点。でも正直ヒザに響くので、下りが少ないのは割とありがたい。


夕暮れどき、昼過ぎに山体の周辺にあった雲は流れ、なかなか幻想的な見た目になっていた。湖畔にはたくさんの観光客が集まっていた。
平野のセブンイレブンでシャインマスカットが売っているのを見つけて、ついつい買ってしまった。運よく座れたバスに乗って、富士山駅からは列車で帰路につく。

大峯奥駈道の8割くらいの行程をこなして、土日の活動量という意味では充分すぎるくらい満足しているのだが、やはり大峯奥駈道に傾いている気分は変わらない。来週の天気はどうだろう。金曜から好天なら、あるいは月曜日まで好天が続くなら、有給休暇を取るのも吝かではない。とはいえ大峯奥駈道はこれよりも遥かに高負荷(シュラフ、食料等で重量が増えるのがキツい)なので、天候次第では年内断念もあり得る。今年はカムエクといい、天気に泣かされるなぁ〜。

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