スポーツの日の連休は、今年初の北アルプスへ。新穂高から室堂まで、北アの未踏区間を含む長めの縦走。始めから終わりまで、一貫して快晴が続く幸運な3日間でした。
時刻は12時少し前。ちょうど良い頃合いだったので、双六小屋で貰ってきたお弁当を開けて、ランチタイム。鳥五目風のご飯に、唐揚げ、焼売、鮭といった嬉しいおかずが乗っており、満足度が高い内容だった。
腹も膨れたので、太郎平小屋まで歩行開始。何となく、ここまで来たらもうすぐに到着するだろうという意識があり、実際に太郎平が視界に捉えられるので何となく行きやすそうに思えてしまうが、歩き始めると全くそんなことはない。細かいとも言い難い、割としっかりとしたアップダウンが連続し、疲労度の割に距離がなかなか縮まらない。
10/9(金)、夜に東京から富山まで前乗り。新穂高から歩き始めるのになぜ松本や長野でなく富山? と思われかねないが、到着時間や移動の妙を考えるとたぶんここが最適解だったはず。駅前のコンフォートホテルに泊。
10/10(土)、始発列車に乗って高山に向かう。駅前に池田千歳のマンホールがあった。歳納京子のマンホールも近くにあったはずで、ゆるゆりキャラのデザインマンホールが駅近くに点在しているのだろうか。富山への前乗りの度に見つけていきたい。
富山から、高山本線でまずは猪谷へ。ここでJR西日本と東海が切り替わり、東海の車両に乗り換える。
まだ7時台、高山駅に着。濃飛バスセンターのところには海外からの観光客が多数、でも平湯や新穂高方面にはそこまで並んでおらず、新穂高まで乗り換えなしでいける8時40分のバス便に乗り込んだ。バスは平湯で大量の登山者を詰め込んで、それもあって多少遅れたものの10時半前には新穂高に到着した。
結局、松本で前泊しても新穂高への想定到着は同じくらいの時間になってしまう、加えて安房峠側から入ろうとすると土曜朝の道路混雑がリスク要素、それに東京から松本よりも富山までの方が前夜の移動時間が短く済む(⇒それだけ残業をできる)、このあたりが富山、高山周りのルート選択の要因でした。
新穂高にて、見てください、この晴天。高山では少し曇っていたのは、おそらく低層の雲が優位だったのだろう。朝のピーク時間は過ぎていたので、登山センターのところはもうそれほど賑わっていない。すでに多数入っているだろう入山者を追いかける形になる。
左俣林道を快調に進んでいく。わさび平小屋もスルー。
小池新道分岐。まだまだ遠いが、稜線が心なしか近付いてきたような気もする。秋めいた山肌に目を奪われてしまう。
雲ひとつない快晴で、暑すぎもせず。こういう山歩きをずっとしていたい。
秩父沢の出合の箇所。ここやシシドウヶ原では多数の登山者が休憩していた。基本的にはずっとノンストップで、たくさん抜かしていく。
鏡池と槍穂連峰。こんな登山日和で、大キレットも人が多そう。
鏡平小屋で最初の休憩。今回は小屋泊装備とはいえ、前泊と下山後の温泉用の着替え等もザックに詰め込んでおり、意外に重量を感じていた。ザックを下ろすととても身体が軽い。名物のかき氷を美味しく食べて、回復。
十数分ほどの休止を経て、歩行再開。この日は双六小屋がゴールなのであと少し。午後に入っても天候は安定していて、夏のように雲が湧き上がってくることももうない。
弓折乗越の手前付近から、槍穂方面を仰ぎ見る。今年はあちらには行かなかったけれども、来年はどうだろうか。上高地から入ろうとすると、ロジ面や混雑を考えるのが面倒くさく思えてきてしまうここ数年。
双六小屋はまだ見えない。けれどももうそんなに遠くはない。稜線の窪みからちらっと覗いているのは燕岳、のはず。
西鎌尾根も樅沢岳までしか歩いたことがないので、いつか槍まで繋げてみたい。
ようやく見えてきた、双六小屋。ここを訪れるのは5年ぶり、前回はまだコロナの話題も多かった頃、双六岳と笠ヶ岳の縦走で、ここでテント泊をした。5年と思うと結構経った気がするが、そんなに昔のような印象もない、当時はあの辺にテント張ったっけ、みたいなのも現地に来ればなんとなく思い出す。
小屋前からの展望。北部方面の景色が良く、翌日に歩く三俣蓮華岳や鷲羽岳を眺めた。
本日の寝床。壁際でラッキー。でも隣が(というか大部屋全体が)イビキ祭りで、結局あんまり熟睡はできなかった。
双六小屋は、モバイルバッテリーの持ち込みについて今年一騒動(?)あり、色々言われていたものの、バッテリーは小屋入口のロッカーで預かり、充電はコンセントで、という運用はかなりリーズナブルだと感じた。事前にこの辺を調べていったので、今回はタコ足配線のタップも持っていった。結果的にコンセントの口数はそこそこ余っていたようなので、コンセントに直接挿す用の充電器具を持ってこない人もそれなりにいるのかもしれない。
双六小屋の夕飯。ボリューミーで、味も美味。ご飯とお味噌汁はお代わり可。
夕方、次第に暮れていく空と北部北アルプスの山影。
16時半に夕食というのは、普段の生活からするとバグみたいな時間だが身体はぬるっと適応していて、日没直後くらいには床についた。(イビキ祭りで熟睡には至らなかったのは、前述の通り)
10/11(日)、双六小屋は4時半過ぎに出る。今日は太郎平小屋まで。直行すれば割と短い距離だが、鷲羽岳にも寄ろうとしているため、それなりの負荷が見込まれていた。すでにそこそこの登山者が先行しており、朝から追い越しを繰り返す。
まだ暗い双六岳。
ブルーアワー、槍の尖峰がほの明るい空に突き刺さっている。
だんだんと明るくなり、ヘッドライトを外しても視界が利くようになってきた。高山の趣がある、ダイナミックな風景のなかにいることを急に実感する。
双六岳、笠に続いていく連嶺。
三俣蓮華岳まであと一息。そろそろ太陽が出てきてしまいそうで、なんとかキリ良く三俣蓮華まで行ければ良いのだが、と心なしか足が急ぐ。
あともう少しのところで、朝日に捕まってしまった。山の、稜線上で日の出を見るのもしばらく無かったような気がする。もう今年もあと少しで終わりという頃に、今年初のあれこれをこなしていく山行。
双六岳と三俣蓮華岳の間にある丸山のピーク、その山肌が赤色に染まっていくモルゲンロート。遠く見守ってくれている槍の穂先を添えて。
日の出の数分後に三俣蓮華岳に到着。三俣山荘からの日の出ハンターと思しき登山者が多数集まっていた。
より濃く、深い赤色に染まっていく山肌。角度やズームの度合いを微妙に変えて、何枚も何枚も撮っていた。
太郎平小屋に行くならば、三俣蓮華岳からは山の稜線沿いに黒部五郎方面に歩くことになるが、今回は鷲羽岳まで足を延ばそう、ということで北側に寄り道。
三俣山荘を過ぎて、目指す鷲羽岳が迫ってきた。迫ってきた、と言っても最後の登り返しが重たく、山荘から約400mも上げる必要がある。ザックは山荘にデポしてきたので身体は軽い。
到着、鷲羽岳。水晶も、鷲羽も、初めて来たときにはそう何度も登る山ではないだろうと思っていたのが、気付いてみればどちらも三度登っている。鷲羽は、今回が今までで一番の快晴。
山で誰かに抜かされることは滅多にないが、鷲羽岳への最後の登りでは結構重そうな荷物を背負っている女性が、山荘からずっと同じくらいの間隔で後ろに付いてきており、距離を離せないことにビックリした。自分もザックを持ってきていたら、抜かされていたかも?
水晶岳、野口五郎岳ほか、裏銀座方面。遠く後立山連峰の方もスッキリと晴れ渡っている。水晶までの寄り道は、さすがに難しい。
左手に目を向けると、こちらもどっしりと構える薬師岳。薬師岳から北薬師岳への区間を歩きたいという思いがあったので(夏頃に考えていた)、それも叶える今回の縦走。薬師を歩くのは翌日になるので、明日もまたこれくらいの快晴であるようにと願う。
鷲羽岳にて折り返し、山荘方面へ戻っていく。こちらの視界では黒部五郎岳が顕著。これから山荘まで下って、巻き道を使いながらも稜線まで復帰して、そしてあのカールに取り掛かる。
の、前に、今回は初めて鷲羽池に足を延ばすことにした。この時点では、なんとなく時間に余裕がありそうだったので。
地図では破線コースになっており、確かに数か所ハイマツが道にせり出して面倒な区間があった。しかし大半は歩きやすく、池の水面のところまで十数分そこらで到達。ここまで下りてしまうと、池を囲う窪地の地形が視界を遮って、槍ヶ岳は見えない。
その分、振り返れば鷲羽岳の山肌が格好良い。池周辺は独り占めで、ここで軽食(ソイジョイ)を腹に入れた。稜線に戻る頃に2パーティほど、降りてくるところにスライドした。
三俣山荘までもう少し。バーッと一気に下ってしまいたくなるが、岩がゴロゴロと大きめのため、慎重さが必要。
山荘でザックを回収し、黒部五郎方面へ進路変更。三俣蓮華岳まで登り返すことはせず、巻道ルートを選択した。巻道といっても歩きやすいラクラクな道が展開するわけではなく、細かいアップダウンの連続に、やや歩きにくい岩石地帯を抜けていく仕様のため、ペースは下がり気味。
近付いたような気があまりしない、黒部五郎岳。影は自分自身。
右手に黒部源流、祖父岳を見つつ、さらに遠くには薬師岳が展開。三俣山荘を離れると明白に登山者の数が減ったようで、マイペースに歩けて嬉しい。
黒部五郎小舎に到着。この日付でもまだ営業している、数少ない山小屋。6年前の北ア縦走ではここに宿泊し、山と高原地図を置いてきてしまった。回収していないので、山小屋の本棚の肥やしになってくれていたら本望。
水分を入れる小休止を経て、いざカールへ。黒部五郎小舎を出てしまうと、この先の営業小屋は太郎平小屋だけ(そしてその先は室堂)になってしまうので、またここで人が減ったような印象がある。コースタイムの長い稜線コースは採用せず、今回もカール経由。
カール内にて、ライチョウがいた。イイところに住んでいる。珍しく、オスのライチョウが計3羽、近いところで行動を共にしていた。草むらのなかで上手くピントを合わせられず、撮れたのは1羽単独の姿のみ。
絶景のカール。ここをゆっくり登り詰めていく。黒部五郎小舎が意外と標高の低い、2,300m台にあるので、じっくりと500m弱を持ち上げていかなければならない。
肩までもう少し。下り方向に歩いていく人々とのスライドが増えてきた。黒部五郎小舎に泊まるのだろうか。三俣山荘まで行くのだろうか。肩の手前の登りが一際苦しかった。
黒部五郎岳、到着。ここは2020年以来、2度目。前回も概ね晴れたといえる結果だったので何か思い残しがあったわけではないが、しかしここまで晴れてはいなかった。槍も穂高もしっかり見える。
白山方面もバッチリ。今回のコースで、白山を明確に捉えられるようになるのはこのピークからとなる。そういえばまだ今年は白山に行けていない。11月か、12月か。そろそろ考え始めないと。
鷲羽、水晶、赤牛の連嶺を最後に眺めて、黒部五郎岳の頂上を離れた。数分間とはいえピークを独り占めでき、360度の景色をじっくりと目に収めた。
時刻は12時少し前。ちょうど良い頃合いだったので、双六小屋で貰ってきたお弁当を開けて、ランチタイム。鳥五目風のご飯に、唐揚げ、焼売、鮭といった嬉しいおかずが乗っており、満足度が高い内容だった。
腹も膨れたので、太郎平小屋まで歩行開始。何となく、ここまで来たらもうすぐに到着するだろうという意識があり、実際に太郎平が視界に捉えられるので何となく行きやすそうに思えてしまうが、歩き始めると全くそんなことはない。細かいとも言い難い、割としっかりとしたアップダウンが連続し、疲労度の割に距離がなかなか縮まらない。
ゼェハァ言いながら北ノ俣岳に到着。こんなに辛かったっけ。6年前は山中3泊、しかもテン泊装備だったのでそれなりに高負荷だったはずだが、すっかり忘れていた。ここから有峰林道に降りていく神岡新道にも興味があるが、如何せんアクセス難なので実現させるのもハードルが高い。
池塘の眺めが癒し。薬師岳がグッと近付いた。
ようやく太郎山に到達。ここまで来ればほとんど太郎平に着いたも同然。足に疲労を覚えつつ、山頂標の写真だけ撮ろうとしたら何やら人だかりがあり、ちょうど近辺にライチョウがいた模様。少年が「ライチョウがいますよ!」と小声で教えてくれた。
太郎平小屋まで、ラストスパート。中日は距離が短いつもりでいたが、Garminを見ると25km超え。ヤマレコのコース距離は勾配が考慮されていなかったりするのだろうか? 計画に入れていなかったのは鷲羽池への往復だけなので、なぜここまで計画距離(22kmそこらだった)よりも大きくなってしまうのかが不思議。
何はともあれチェックインを完了し、荷物を置いて、お疲れ様の杯を掲げる。身体に染みる。
太郎平小屋は割と中途半端な場所にある印象があって、もしかしたら空いているんじゃないの? と淡い期待も持っていたが、営業小屋が少ないことが影響しているのか、なかなか賑わっていた。いわゆる山小屋の雑魚寝部屋という感じの広い空間に大量の布団が敷き詰められ、その一枚(残念、角っこではなく)を充てがわれる仕様だった。案の定、部屋はイビキ祭りで、二夜連続の浅い睡眠となってしまった。
太郎平小屋でのお夕飯。ハンバーグが美味しい。右下の黒いやつは何だったのだろう、羊羹的なデザートかと思って最後に食べたらかなりしょっぱい系の味で、甘味の舌だったこともあり目を白黒させながら飲み込むことになってしまった。
10/12(月)、スポーツの日。この日も長い。太郎平から室堂まで歩ききらなければならない。朝は早めに、3時に起床し、3時半過ぎには出発した。まずは薬師岳に向けて、無心で標高を上げていく。空は暗く、眼下の富山平野の夜景が美しい。
薬師岳山荘。すでに今シーズンの営業は終わっている。
5時を少し回った頃、薬師岳に到着。百名山はもう複数回、場所によっては三度以上登っているピークもある中、薬師岳はこれがようやく二度目の登頂。前回、6年前も同じくらいの空の色のタイミングで、確かここで日の出を見た。今回は、室堂までの長い行程、帰りのアルペンルートの混雑を視野に入れるとあまり余裕があるとは言えず、日の出を待つことなく出発。
北薬師岳方面に回ってきた。このカール、これを見たかったのだ。ザレた荒々しい山肌が、昨日まで見ていた優美な薬師岳の姿と少し異なる印象を与えて、でもこれも格好良いと感じる。
北薬師岳のピーク。薬師岳までは、数名の追い越し、さらには頂上に先行者もいたが、ここから先は本当に人がいなくなる区間。
ここで風雨なら薬師岳頂上は厳しい、という趣旨の記載がある。が、北薬師岳もほとんど吹きさらしなので、薬師の方が明白にシビアになるということはなさそう。今日のような天気であれば関係ないこと。
赤牛岳の肩の方から、日の出。最終日だけは雲がやや優勢かも、という予報だったので一抹の不安があったが、なんのことはない、十分快晴と言っていい天気だった。
カールが色付いていく。薬師岳のピーク直下のエリアが赤色に染まるのを見たくて、数分粘ってみるもこれは叶わず。東の空に少しだけ出ていた雲の影響か、太陽光がそれに遮られて真っ赤なモルゲンロートとまではならなかった。これだけは、昨日の天気なら、とちょっぴり思わないこともない。
さて、目指していく室堂方面。後立山連峰もグッと近付いて、また立山や劔岳の山体もハッキリそれと分かる。どちらも気が遠くなるほど遠いという印象は持たず、室堂まで意外にすぐか?などと少し楽観的な気持ちが過った。
まだ日の出直後の雰囲気のある稜線も、歩いているうちに少しずつ彩度が上がって、
こんな風な展望が視界に飛び込んでくるようになる。下り基調なのも助けて、この辺は本当に歩いているのが幸せな区間だった。
北薬師岳のやや北、間山のピーク。ここで、五色ヶ原まででは唯一となる登山者とのスライドがあった。一体前日はどこに泊まったのだろうか、と疑問が浮かぶ。昨日の北ノ俣岳や太郎山付近でも、午後1~2時過ぎに黒部五郎方面に歩いていく登山者(ペースも遅い)を複数見かけて、一体どういう行程なのだろうかと気になる場面があった。
朝7時過ぎ、スゴ乗越小屋に到着。ここも営業終了済みで閑散としている。室堂からの下山をスムーズにするために、5時半薬師岳、7時スゴ乗越小屋、8時半越中沢岳、10時五色ヶ原、というマイルストーンを置いていて、薬師岳までは快調だったのが、早速スゴ乗越でビハインド。実はこの手前で軽く滑ってしまい、肘に深めの切傷を作ってしまったのも影響した。なかなか血が止まらず、足踏み。
歩行再開して、越中沢岳への登り返しに取り掛かる。スゴ乗越の小屋の先で一度2,100m台まで標高を落としてしまうのが本当に憎らしく、ここからまた500m程持ち上げる(それも一度の登り返しではなく、アップダウンを経て)のが、疲れた身体には酷だった。
一つ目のニセピーク。2,400m台中盤まで上げたのに、また落とす。そして再度登っていく。普段の登りよりは余程スローなペースで、じりじりと足を進めた。
振り返る、スゴ乗越小屋と薬師岳まで続いていく頂稜。写真撮影を口実に、頻繁に足を止めては息を整える。
ついに到着、越中沢岳。こんな何でもない、道中のピークの一つに過ぎない山で、こんなにも達成感を覚えることはない。ザックを下ろして、数分間の小休止とした。
後方を改めて振り返って、薬師岳、黒部五郎岳、そして笠ヶ岳。
右手には後立山連峰、真ん中が針ノ木岳だろうか。烏帽子岳や鹿島槍などの分かりやすいピークが画角に入っていないと山座同定に自信を持てないがち。
越中沢岳を過ぎればすぐに五色ヶ原に着く、というわけではなく、鳶岳への登り返しがまた身体を痛めつけてくる。もうエエて〜という思考に頭を支配されつつ、この感じは去年の大峯奥駈道でもあったなぁと懐かしく思い出した。
ようやく目前に捉えた、五色ヶ原。薬師からここまでが未踏区間で、五色ヶ原から先はすでに歩いたことがある。見覚えのある五色ヶ原山荘の姿に安堵しつつ、その先の獅子岳、龍王岳への登り返しもまたとんでもなくハイカロリーそうな雰囲気に盛り下がる。
五色ヶ原山荘の前で昼食。太郎平小屋でもらったランチ(ちらし寿司を巻いた感じのご飯と魚肉ソーセージ)を腹に入れ、不足を覚えたのでソイジョイも追加で食べた。双六小屋のお弁当に軍配。この辺は結構小屋によって明確に当たり外れがある。
ここもすでに営業を終えている五色ヶ原。2,500m峰の鷲岳に寄れなかったので(時間的にも、体力的にも困難だった)、またいずれは来ることがあるはず、その際にはここの山荘にも泊まってみたい。室堂近くの国見岳も未踏なので、そこと合わせて、とか。
室堂に向けて、登りの数は残り数えるほど。五色ヶ原の木道区間は癒やしで、ここでタイムを稼がないといけない。
そんな癒やしはすぐに終わり、獅子岳への凶悪な登り返しが聳え立った。ここを逆方向で歩いたのは残雪期、まだ斜面に多くの雪が残っている時期で、ルートも夏道通りではなく、歩くのが二度目とはいえ、今回がほとんど初めての感覚だった。
普段のペースより明らかに遅く、それでもなんとか獅子岳に到達。あと登りは何回だ?ということばかり考えてしまう。水の残量も減ってきたが、室堂までの距離を考えれば何とか持ちそうだった。
黒部湖も見えてきた。秋めいた山肌の斜面と、碧い湖面の色のコントラストがよい。秋の時期にこの辺に来たのは、去年の剱御前(ほとんどピークハントで、景色堪能はせず)を除けば、初めてアルペンルートを訪れた大学時代にまで遡る。こんな感じの景色だったなぁ、と懐かしい。
懐かしさはさておき、最後は鬼岳、龍王岳に続いていく登り返し。結局、五色ヶ原の先のザラ峠から数えると、最高点である龍王岳まで500m以上を登り返さないといけないので、この長い縦走路の最後を飾るに十分相応しい、ラスボスというような感じ。
一つ登ってもまた次の頂が視界に現れて、萎える。その繰り返し。鬼岳東面付近は、特に前回の通行時は残雪が優位で、こんな場所だったっけ?という感覚が強かった。
最終日は雲、というのはこれのことだったのか、と思い始める、少し雲の勢力が増してきた下界の眺め。昼前後から若干ではあるが雲が山体にのしかかって、五色ヶ原や室堂くらいの標高帯には雲が重なるようになってきた。
結局五色ヶ原から2時間弱もかけてしまい、ようやく龍王岳に到着。ここでミラーレス一眼のバッテリーが落ちてしまい、Pixel11に切り替えることになった。ミラーレス一眼は、2020年の末に購入したZ6IIを長らく使ってきたが、電源のON/OFFがうまく反応しないようになってしまい、オフのつもりでも電源が入ってしまうというケースが頻発、結果いつの間にかバッテリーが減っている、という事象に見舞われたのだった。撮らないときはバッテリーを外すという応急処置を取ってはいたものの、室堂までは持ちこたえてくれず。そろそろカメラ自体を交換すべきかもしれない。冬賞与の使い道だろうか。
まあ、Pixel11もダメではない。発色はやっぱりスマホ撮影レベルという感じが拭えないのだけれど。浄土山から、この天気であればたくさん登っているのであろう、立山三山。
ついに室堂が見えてきた。この辺りまで来ると人の数は途端に爆増し、安心感を覚えつつも、帰りのアルペンルートで大幅な待ちを喰らわないだろうかという不安に苛まれ始める。
12時台に帰ってこれれば理想的、と思っていたが、結局室堂ターミナルの到着は13時15分頃となってしまった。後続の行程的には14時20分がリミットだったので、悪くないタイムではあるものの、14時20分というのはアルペンルートでロス無しを前提としているので、約1時間の余裕ではまだ心許なさがある。
室堂の建物に入ったら、汗臭さも気にせずに急いでチケット購入。さらに美女平方面はバスの整理券を配布しているとのことでそれも回収。もはや何分のバス、みたいな時刻表の概念は薄れて、来たバスに整理券順に詰め込んでいくようなことになっていた。
整理券を貰ったときは83番が呼ばれていたくらいだったので、まあ余裕があるだろうと思い、コーヒーショップでみくりが池ソーダフロートと唐揚げを購入。ソーダフロートが体に沁みて美味ェ、、などとやっている間に、バスの整理券の番号が次々とアナウンスされ、最後唐揚げは慌てて頬張ることになってしまった。
そんなこんなで13時45分頃に高原バスに乗車。後続の旅程にも影響が出なさそうで安心。下界におりていくに連れ、雲の下に潜っていくようで、稜線上はあんなにも晴れていたのに、美女平や立山駅周辺は少し暗く、肌寒さも覚えた。
立山駅から富山地鉄に乗り、途中の岩峅寺にて下車。岩峅寺の近くにある立ち寄り湯、グリーンパーク吉峰が目的地だったのだが、これが駅から往復3km以上で、まだ歩くのかい、という気分にもなる。実際、富山駅付近の入浴施設でもダメではなかったのだが、前から寄ってみたいと思っていた場所だったのだ。
入浴を済ませ、結構ギリギリの時刻に岩峅寺駅に帰還。なんとか、特急立山号に間に合った。ここをもってようやく山行が一段落したようにも感じて、登山者が多く座席にはありつけなかった車中で一人感慨にふけっていた。富山駅からは、満席の新幹線かがやきで東京へ。東北新幹線でのトラブルが波及し、定刻より30分程遅延しての帰着となった。
全体で60kmを超える縦走、GPSが飛び飛びになる区間がありながらもおそらくトータルでは6,000m超の登り標高差。いずれも昨年の大峯奥駈道に比べれば一回り二回り小規模な山行ではあるが、快晴の北アルプスを歩き続けられたという体験は得難く、満足感、達成感は充実のものがあった。特に今回は双六岳~三俣蓮華岳、薬師岳~五色ヶ原という北アの未踏区間を潰せた、それも大展望の中を歩けたというのが大きい。混雑やロジ面もまずまず。新穂高への入りは行程バランス的にほとんど最適解、室堂からの帰りもストレスはほとんどなかった。アルペンルートの多客捌きはかなり見事と言えたと思う。
すでに時期が時期なので、年内に北アの別の山域に出かけるかどうかは怪しい。雪時期になれば去年の鹿島槍みたいな場所を探すのはアリだけれども。下ノ廊下はもう来年かなぁ。
……そして、これで終わらないのがこの連休。かがやきに乗って東京駅到着後、さらに日本橋まで歩いて、レイトでガルパン最終章5話の2回目を鑑賞した。翌火曜日からの労働がおそらく重く、初週の特典の回収が進まなさそうだったので、こういう隙間時間に無理して鑑賞機会を捻出していかないといけない。戦車でドンパチやってくれるので、寝落ちとかあり得ないのが有難い。
で、なんだかんだで初週に計4回を見たわけですが、結果はアリクイさんチームの四連発。確率3%くらいの、下振れ。ローズヒップ他クルセイダー隊の色紙、欲しかったなあ。
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