夏の北海道、後半戦。後半はペテガリ岳と神威岳を巡る山行。
「遥かなる」山と名高く、特に今年は(今年も!)林道ゲートが閉じており、歩く距離がかなり延びていた。終わってみれば、下山の翌日にゲートが開放されるという絶妙な配剤もありつつ、しかしあの長い林道歩きがあったからこそ2座とも晴天のピークに行けたのだと前向きに思ったりもする。
8/4(火)。カムエク登頂の翌日、忠類から一気に日高山脈の反対側、浦河へ。気になっていた元浦川林道のゲートは遂に開かなかった。月曜日にカムエクを登っている間に復旧作業が終わって、翌日から開放される…というシナリオを妄想していたが、現実は甘くない。無情に閉じたゲートの前にバイクを停める。自分の他に乗用車が計2台停まっていた。神威かペテガリか。
何だか意味ありげな重機も。
閉じたゲート。
元浦川林道が走れないなら、正直なところ別の山でもいいかなぁと思ってもいた。実際に十勝幌尻岳とか芽室岳とか、楽古岳とかも候補にはなっていた。しかし一体なんの奇跡なのか、今週は道内の天気がかなり安定していて、日曜から5日間以上も連続で快晴が見込まれている。夏の北海道は今回でもう七度目なので分かる、これは相当にレアなことである。
絶対にこの機会を逃してはいけない、林道を歩いてでも登るべき、たかが片道13キロ歩く距離が増えるだけ、往復で26キロ、うん…
なんとか11時前には歩行開始。黙々と(鈴はシャラシャラと鳴るが)歩き続ける。ところで林道の崩落箇所はどこでしょう?
ここか? いずれにしてもそれらしい箇所はこの8/4の時点ですでに土砂が片付けられていたようで、結局約13キロの林道歩きは快適、崩落地点の迂回などの必要もなかった。ただバイクで安全に、パンクの心配なく走れるかというと、これは少し怪しい。ゲートまでとは一段階、路面の様相が変わるのは事実。
歩くこと約2時間、神威山荘に到着。初日はペテガリ山荘に向かうのでこれは寄り道。
わざわざ寄り道(10分程度だけど)をしてまで神威山荘にやって来たのは、荷物のデポのため。ペテガリ岳往復に必要ないものはここに置いていく…と思ったけど、着替えや非常食類をかき集めてもあまり大した削減にはならなかった。立地の問題なのか、小屋の中はいやに蒸し暑い。
ペテガリ山荘へ向けて歩行再開。すぐに現れるニシュオマナイ川の渡渉点。深くはないが思いのほか流れが強かった。ペテガリ山荘まで渡渉区間あり、また神威岳も渡渉あり、と認識したうえで、今回は荷物を減らすために沢靴を持たず、全てアカシャIIで対応することにした。沢も普通に歩ける(グリップは若干フェルト地の沢靴に劣る場面もあるけど)、乾きやすい、軽い、そのまま林道も歩ける、と一足で勝負するなら最適の選択かもしれない。
林道終点からベッピリガイ乗越までは、カムエクの3割くらいの沢登り。苔むした岩もそれほど滑らず歩けた。一度、ピンクテープを見落としてルートを間違えてしまう。テープは割と明瞭なのに、足元ばかり注意していると開けた方に誘導されやすい。(テープの付いている右手が正解。左に行ってしまった)
これ何の動物の足跡だ?と思っていたけど、おそらく沢用の足袋で歩くとこうなる、のかな。先行者のものか、と合点がいく。
乗越の前後はやや歩きにくいものの、ベッピリガイ沢も渡渉して過ぎてしまえば、歩きやすい林道区間がやってくる。羆への警戒も怠らない、けどこの日もまたクマの気配を感じることはなかった。
そろそろかな、と思ってもまだペテガリ山荘まで2.5kmとの表示。割と歩く。
山荘内はこんな感じ。まずドアが豪勢。普通の住宅みたい。あまり山小屋でこういうドアは見かけない。内部も整っていて、ここは神威山荘とは違ってかなり涼しかった。
水場もある。ずっと水が流れている。冷たくって美味しい。蛇口の錆なのか、少し鉄っぽい感じもした。エキノコックス…と飲んだ後に思い至るも、まあ水場だし大丈夫でしょう、で考えないことにした。一応浄水フィルターは持ってきているので、沢から直飲みするときはフィルターにかけることにする。
1泊500円だそう。山荘の設備を考えるとこれはだいぶ安い。
なので倍、入れておいた。
2階。先行の方が1階に居たので、自分はこちらを選択。
カムエクの写真を整理していると時間があっという間に経ち、アニメも読書も消化できないまま眠りについた。
8/5(水)。朝は2時半に起床。軽い朝食を腹に詰めて、山行用の荷物とデポしていく荷物を整理。必要最低限に絞ったこともあってザックはかなり軽くなった。涼しいので傷む心配もなさそうだ、ということで余剰の食料の一部もここに置いていく。
北海道は明るくなるのが早い。小一時間も歩いていれば徐々に空が白んできて、すぐにヘッドライト不要で歩けるようになってしまう。今日もよく晴れそうだ。
視界が開けたところに立ち、山々のシルエットを見る。どれがペテガリかは全然分からない。
下は雲海のようだった。
1,259m峰の手前から藪漕ぎが開始。幸い朝露は付いておらず身体が濡れることはなかったけれども、歩きにくいことはこの上ない。
両手でバチバチと笹薮をかき分けながら歩き続け、1,293m峰に到着。謎のクーラーボックスが目印。ここまでで思ったよりも水の消費が早く、少し先行きが心配になる。
この辺りからは頂上直下までほとんど笹薮の連続(一時的に切れてもまたすぐに藪漕ぎ)で、息をつく暇がない。時々視界が開けるところがあると写真撮影がてら小休止。
日高山脈の稜線。例によって一つもピークの名前が特定できないのが悲しいところ。どれかが神威岳だったりしません?
遂に見えたペテガリ岳。カムエクを登頂したいま、最後に残った未踏の二百名山でもある。頂上に向けての鞍部、C沢コルからが藪漕ぎのラストスパート。最後まで藪は一切の容赦をしてくれず、藪の背丈の高いところもあって、顔をフガフガさせつつ突破していく。
後方の景色もいつの間にかこんなにダイナミックに。
そして山荘から約3時間45分、ペテガリ岳に到着。やり遂げたー。カムエクに続いて、苦労して登ってきたという確かな実感があるからこそ達成感も大きい。これは1時間台、2時間台で登れてしまう他の山々とはどうしても異なる。
登山とは何かを差し出す行為(登頂すること、そこで見る景色は、その見返り)だと思っている節があり、ここはその「差し出すこと」の最大級に当たる山でしょう、少なくとも夏山では。
ここまでの藪漕ぎの酷い登山道とは裏腹に、頂上にはたいそう立派な山頂標が備え付けられている。向こうに広がる日高の山々…の中におそらくカムエクとか幌尻もある、のでしょう…きっと…(カムエクに関しては、たぶん中央左寄り、2つ尖ったピークの左側? と思っていたけどWikipediaに頂上からの眺めを山座同定した図があり、全然これではないらしい。カムエクはもっと奥の、やや薄ぼんやりして見える三角形のピークだそう。日高山脈、デカい)
360度、凄まじい。写真を撮りまくり、ここでもまたスマホで動画を撮っちゃったりして、なんだかんだ30分程滞在していた。風が流れて涼しく、この展望で、何時間でもここに居られるのに。
どこの山域か見当も付かないけど遠くの山塊も見えている。この天気なら大雪山系だって見えていてもおかしくない。
7時半頃、後ろ髪を引かれる思いで、下山開始。藪漕ぎは無心で突破し(なんとなく下りのほうが処理しやすい。角度的に顔面に当たりにくいから?)、1,259m峰を過ぎてようやく一息。下りではそれほど渇水感を覚えず、幸いに水も足りそうだった。
10時半過ぎにはペテガリ山荘に帰着。少し食料を腹に入れ、デポしていた荷物を回収、また水も汲み直し、と諸々の準備を整えて、11時前には山荘を出発した。この日は、自分、画像のテント泊の方と、山荘で一緒になった方の計3名が登頂。元浦川林道ゲートに停まっていた車の数と合う。
林道区間長いなぁ、と思ったら目に入った看板。行きでは2.5kmの看板を見つけたけど、これは見落としていた。もしかして結構小まめに看板が設置されていたのだろうか。
渡渉、沢登り沢下りも、ちょろっとだけなら良いけどあんまり長々と続くようでは(特に復路で)精神的な疲れが先に来てしまうなぁという発見。滑らないように気を遣いながら歩く分、長く感じるのだろう。水の周りは小さい虫がぶんぶんと飛び回ってきて鬱陶しいというのもある。
ニシュオマナイ川の渡渉点を越えて、神威山荘方面へ。こういうザブザブと渡れる渡渉があると靴の汚れを落とせて便利だ。靴下は濡れてしまうけど。
13時半過ぎ、神威山荘に帰着。相変わらず蒸し暑いので、窓を開けて風の通り道を作った。その結果、山荘内に虫が大量に入ってきましたが…
この時点ではまだ車が停まっておらず、相変わらずゲートは開いていないのだろうと推測する。でも電波が入らないので最新状況が分からない。ペテガリ山荘で一緒だった方(自分と同じ東京から来られた方)も、夕方には無事に神威山荘まで辿り着いていた。時間があったので写真を整理し、読書を進める。「夏帆」を読み終えた。私も“大型モーターサイクルの男” です。BMWではないけど。毎回律儀に「モーターサイクル」呼びなのが、やや滑稽。
8/6(木)、朝は3時に起床。神威岳に向かう日。2時半起きで3時出発する案も考えていたが、帰着が早くなりすぎてもどうかなと思い(冷静に考えるとかなり生意気だ)、明るくなるまでの時間が短く済むように、30分行程を遅らせた。山荘にデポしていく荷物たちをまとめる。ペテガリ岳と同様、かなり軽い身で登っていく。
神威山荘の近辺で羆を見た人もいる、とカムエクで同行した方からの情報があったこともあり、歩き始めから要警戒。
ニシュオマナイ川の渡渉点。朝はまだ涼しいので、水に足が浸かると気持ちいいというよりも冷たい。できるだけ足早に突っ切っていく。
二股にて、再度の渡渉点。ここから先はしばらく沢登りの様相が強まる、がこの渡渉の先、写真の対岸のところからのルートが分かりにくかった。ピンクテープはあるものの、この先が完全に藪の中。行きはここで20分ほどロスしてしまった。最終的にもルートを見つけられたわけではなく、GPSとにらめっこしながらウオオと藪をかき分け強引に突破し(いくつか切傷を作った)、ふと気付いたらほんの少し開けたところに到達、幸いにそれがルートだった…という顛末。
復路では藪を回避して沢からこの渡渉点に着こうとしたものの、その場合は2~3箇所のヘツリを突破する必要があり、これはこれで厄介だった。
大体は歩きやすい沢登り。意識して歩けば水濡れもそこまで起こさないで進めるはず。序盤のニシュオマナイ川渡渉でどうせ濡れるので、ここで水に浸かりたくないという心理にはなかなかならなさそうではあるけれど。
普段は渡渉の伴う山行をほとんどしないというのもあるが、足を濡らしても良いというのは自分にとっては驚くべき思考の転換で、それさえアリだと思えるならこんなに自由に歩けるのかという発想の広がりが面白かった。言うなればポケモンでフィールド上で波乗りが使えるようになった時のような。今回は幌尻のとき以上にルーファイをしつつ川を渡る、という場面が多かったので、特にこういう感想を持ったのだろう。
大きい左矢印のサインが見えてきたら、沢登りはここまで。ここから道内の三大急登の一角に数えられる尾根歩きが始まる。
急峻なだけではなく、藪もすんごい。ペテガリと似たり寄ったり。これはここ何年か林道が風前の灯火で入山者が少ないからこうなのだろうか、それともずっとそうだったのだろうか。顔中の穴という穴をめがけて笹薮が襲いかかってくるのでフガフガ言いつつ、何とか登りをこなしていく。
10分で100メートル登る、というのが一つの目安になるが、ここではそれがなかなか難しい。ルーファイが困難という場面はあまりないものの、何となくペテガリの笹薮より直感的に進める感じがしない、という印象を持った。
7時を少し回り、ようやく神威岳に登頂。出発から3時間半以上。ペテガリよりは山荘からのコースタイムが短いものの、平行距離で比較するとこちらが圧倒的に短いので、距離単位の時間で見れば神威岳の方がより苦戦したということになるのだろう。
今日もまた快晴で本当にありがたい。風が涼しく、荷物を置いて一息つく。
例によって全然山座同定ができない。後で調べると、これがペテガリ岳方面を写しているものらしい。中央奥、やや飛び出た形の三角形。一続きの稜線上にあるように勝手に思っていたから、なかなか飲み込みにくい。そう考えると、こんなに遠いピーク同士を連日で歩いたのか、という感慨もある。
写真を撮っている時にはこれをペテガリ岳方面だと勘違いしていた、実際にはソエマツ岳やピリカヌプリを写したもの。日高山脈、本当に奥が深い。身も蓋もないことだけど、日本アルプスでもこんなに底の知れない感じはしない。
おそらく市街地にもっとも近い方角、と思われるもその片鱗は伺えず。人家や道路なども確認できない。見渡す限り、山、山、山。
連嶺の写真をたくさん撮る。冬はまた凄い景色になるのだろう。ヤマレコを見ていると冬季に日高山脈を縦走している北大生等の記録をたまに見つけて、凄いなぁと羨ましいなぁの半々の思いで読んでいる。
頂上標。なぜか「神威岳」のプレートは真ん中で切り裂かれていて、パズルのように合わせて写真を撮る必要があった。漢字がまた独特の味があるフォント(?)なので、一見すると合っているのかどうか判別しにくい。
頂上にはまた30分程滞在してしまい、7時半過ぎにようやく出発した。頂上付近に行けば電波が入るので、このチャンスで色々情報を拾いに行く必要がある、というのも要因の一つ。この時点ではまだゲート開放の案内は出ていなかった。また8/7以降の天気予報もここで確認する。
ツラいツラい藪漕ぎを何とか終わらせて、沢下りのボーナスステージへ。朝のうちは水を冷たいと感じていたけれども、すっかり日が昇った今となれば水に浸かれるのはむしろ涼めるのでメリット。時折意図的にバチャバチャと水の中を渡って、山荘へ戻っていった。
山荘手前、まさかのトリカブト。この付近にたくさん咲いていた。
山荘に帰着。この時点で10時半、林道13キロを足してもまあ13時頃には帰れるか、とまずまず良いタイムで来られていることを確認する。デポしていた荷物を回収して、長い長い林道に入っていった。
羆の心配こそすれ、それがなければ基本的には退屈な林道歩き。もちろん周囲への警戒も怠らず、ではあるけど、あまりに退屈なのでダウンロードしていたポッドキャストを聴きながら歩いた。そうでもしないと13キロは流石に長い。
歩くこと約2時間。ようやくゲートが見えてきた。
これで本当の帰着。お疲れ様、と自分を労う気持ちが普段以上に湧き上がってくる。
残りの車はテント泊の方(ペテガリ山荘からの帰路のようで、林道で追い越した。間もなくゲートに到着されていた)の分と自分のバイクのみ。山荘で一緒になった方は、この日は林道を下るだけということだったので既に出発済み。晴天の確度の高いタイミングだったので、もう少し入山者が居るかと思っていたが、やはり林道歩きが長いせいで相当な好事家向きの山々になってしまっているのだろうか。かく言う自分自身も、昨年時点では林道がダメということで登る候補にすら入れていなかった。
元浦川林道のゲート以南は基本的に走りやすいフラットダート。謎に気持ちのいい花畑の中を突っ切っていくシーンもある。
さらに10分ほど走って荻伏のセイコーマートへ。い、いきかえる〜。
これのために林道で喉が渇いてもあえて水分補給せずに我慢していた。初めにソルティライチを飲んだら、身体があまりにもこれを欲していたみたいで、少しむせた。あと白桃のシャーベット、これも美味しい。北海道でセイコーマートで買うアイスと言えばハスカップのやつ(一昨年くらいまでは買えた)だったけど、正直PBのアイスはどれでも美味しい。
セイコーマートでの休憩後、バイクを走らせて様似方面へ。海霧がかなり濃く、堤防の突端が薄く靄がかったように見えて幻想的だった。思わずエンルム岬に立ち寄って景色を眺める。
アポイ岳方面。海に一番近いピークがアポイ岳? そこから稜線を結んでいった先がおそらくピンネシリだろうか。ツリガネニンジンが可愛らしく咲いている。
このゲート開放後に入ると、最速でも8/8朝のペテガリ岳登頂。晴天は8/8の昼まで持つかどうか…という少し際どいタイミングとなる。
アポイ山荘併設のレストランでカロリー補給。2泊3日の山行の間は結果的にカロリーセーブしてしまうことになったので、ここで2食分のブースト。美味しそうなメニューを選びきれなかっただけでもある。キーマカレーと、奥は地元のつぶ貝を使っているつぶ玉丼。どちらも美味しかった。
ゴールドシップのパネルがあった。8年前(そんなに前…)、ビッグレッドファームに実物のゴルシを見に行ったなぁ。
8/7(金)。道内での登山ラスト。せっかくアポイ岳近くの施設に泊まったので、天気も良いし朝からアポイ岳登山とする。よく整備されたビジターセンターがあり、平日でもちらほらと登山者がいる。
昨日までの登山を思い返すとオアシスとも思えるような整備されたトレイル。熊鈴も一応鳴らしているけれど、人の数が多いので安心感が段違い。ほぼ海抜ゼロメートルから登り始めるので、今日のような晴天の日は暑さだけがネック。汗をぼたぼた垂らしながら歩いた。
五合目付近で森林限界を越え、高山植物が現れ始める。黄色いお花が多い。
五合目から先は岩のゴツゴツしたトレイルで、馬の背と呼ばれている。手を使うことなく歩き切れる程度の難易度だけれども、少しワイルドな感じが楽しい。
振り返って眺める様似の市街、浦河方面へと続いていく海岸線。緑の面積が大きく、海のすぐ近くでも想像以上に山、森の深さを感じる。
アポイ岳頂上。標高は810mとだいぶお手軽な山。
頂上は木々の中なんだ、と少し不思議に思っていたらまさにその点に言及している看板が。高山帯と亜高山帯(?)が入れ替わっているみたいな山、他にも見かけた気がする。(八方尾根かな)
縦走コースもあり。結構時間がかかってしまいそうなので、今回はアポイ岳のピークハントで終了とした。
ピークハントではあるけれども、ピストンではなく、南側の幌満お花畑を経由するルートで下山。お花畑、ということなので少し期待していたがあまりお花は咲いておらず、というのもかつてはヒダカソウが咲いていたが、今ではほとんど見られないとのこと。現地の看板では「旧」も付されていて、完全に過去の話になっていた。
でも景色はいい。少しだけ海に近付いたような感覚もあって、こういう眺めのトレイルは大好物。
下山後、まだ時間があったので30km程バイクを走らせ、襟裳岬へ。ここも8年ぶりの訪問で、懐かしい。例によって海霧が顕著で、まるで曇天かのような写真になってしまう。(霧が取れさえすれば快晴なのに)
霧のためなのかアザラシの姿も視認できず。登山やバイクをしている中で、いままでに出会った最も珍しい野生動物はやっぱりアザラシな気がする。今回は出会えなかったけれど、過去に礼文島でアザラシの群れ(大量!)が岩礁に上がっているのを見たときは驚いた。
襟裳岬の突端までの遊歩道。なかなかワイルドで、ここは霧が逆にいい味を出している。
えりも町のセイコーマートにて。ハスカップのアイスを見つけた。なんか昔に食べたものとは若干違う気もするけど、これはこれでウマい。
夏の北海道で食べるアイスの記憶は必ず美化されるという持論があり、これは北海道でアイスを食べたくなるというのは即ちその日が晴れていたということだから…というロジック。晴れてさえいればどこで何をしていても楽しいのが夏の北海道。
えりも町から一路海沿いにバイクを走らせ、今日は新しくオープンした千歳のドーミーインに泊まる。これが今回の道内の最終宿泊地となる。明日は天気が少し怪しげで、快晴にはならなさそう。千歳近辺を巡り、バイクを洗車して(都内だと洗車場がない。旅先で洗うに限る)、苫小牧港に向かい、あとはフェリーに乗るだけ……。
山小屋に泊まるような山行をすると特に、時間の感覚がおかしくなってしまうみたいで、もうそんなに日数が経っていたのかと我に返るような思いをする。歩きたかった山は全部歩けたので満足。でも仕事に戻るのは憂鬱だ。会社のスマホを見たら、メールとチャットが大量に溜まっていてそっと画面を閉じた。
気が付けば二百名山はこれで終わり、三百名山も残すは大千軒岳のみ。大千軒岳はいつ登れるようになるのだろう。冬しかないのかな。9月の連休の使い道もそろそろ考えないといけない。
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