白山


今年の白山。未踏の月は12~3月なので、今年は12月かなぁとも思っていたが、まあ技量的にまだ難しいだろうとも冷静に考えて、一昨年と同じ9月に。未踏ルートは岩間道、楽々新道、釈迦新道、北縦走路があり、前の3つは現在通行止めになっているので、北縦走路の使用が確定。土日で公共交通で行くとなると砂防inが丸いだろうということで、登りは砂防新道、北縦走路を経由して白川郷に降りることに決まった。

金夜に金沢に前乗りして、松任のビジネスホテルに泊。翌朝、松任駅を5時半に出る白山登山バスで市ノ瀬まで。混雑するかと思って5時前にバス停に並んだけれども、最終的に人の数はそれほど多くなかった。自家用車で行く人が大半なのでしょう。

定刻7時5分に賑やかな市ノ瀬に到着、ここで別当出合までのシャトルバスに乗り換え。ハイシーズンに市ノ瀬に来るのは7年ぶりで、こんなに活況なのかぁと新鮮に映る。

シャトルバスは7時20分の便で、7時半頃には別当出合に到着。現在観光新道が通れないことになっているので、登山者はみな吊り橋の砂防新道で入っていく。

人の数が多いので抜かす回数も多い。行楽期に砂防ルートで来て、しかもいま観光新道が使えないから仕方ない。黒ボコ岩の手前までノンストップで、ふと振り返ると快晴のなかに別山が立っていた。

穏やかな弥陀ヶ原。少し色付いた草原といいガスの湧かない安定した晴天の感じといい、すっかり秋の様子。

室堂でフローズンのソルティライチだけ購入(これが全然融けない)、そのまま御前峰へラストスパート。

室堂、別山を振り返るいつもの構図。

写真撮影の並が一息ついたタイミングでこそっと御前峰の標を撮影。上手く隙間を見つけないと長い列が全然途切れないのでこういう時期は大変だ。

剣ヶ峰、三方崩山方面。そろそろ白山は未踏ルートが少なくなってきたので、久しぶりに岐阜側から歩いてもいいかもしれない。平瀬道から登って、楽々新道に抜けるみたいな。通行できればだけど。

大汝峰、紺屋ヶ池、剣ヶ峰が並ぶこれもいつもの構図。

翠ヶ池の縁にはまだ雪が残っていた。ルート上は無論、それ以外のところも基本的に雪はさすがに溶けていたものの場所によってはほんの少しだけ残雪があり。

血の池。残雪期なら雪の上を歩いて大汝峰の根元まで行けるが、雪のない時期は血の池のところまで歩かないといけない。ここで室堂に戻るルートと分岐して大汝峰へ。

大汝峰から、剣ヶ峰と御前峰を見るいつもの構図、そこに別山も入れる。大汝峰まで来れば人の数がぐっと減るので助かる。

もっと人が減るのは中宮道に入ってから。一人にも遭わない。振り返ると白山頂上群がどんどん遠ざかっていく。

北弥陀ヶ原付近の伸びやかな景色、と言いつつこの辺から道は荒廃の様相を強め始めて、なかなか歩行に難儀する。昼前になっているのでもう朝露は蒸発しきっているのが助かった。藪がそこそこ高いので、体にバチバチ当たって痛い。

地獄覗から地獄谷の崩れた山肌を見る。中宮道は2年前の9月に中宮温泉から登ったものの、この辺りを通過したのは早朝の時間帯だったので、こんな景色だったのか〜と驚き。白山は穏やかで登りやすい山という印象が強いけれども、こういう一面もある。まあ普通に火山だし。

ゴマ平避難小屋に近づくにつれ、本格的な藪漕ぎとなっていく。この日はまあ道もなんとかなっているだろうという(甘い)読みで、タイツ無しの短パンにしていたので、刺さる笹薮が痛いこと、痛いこと。

ゴマ平避難小屋に到着。前回2年前もここに泊まった。14時前という早めの時間に着いて、ドアを開けると大量のハエが小屋内を飛んでいた。根気強く窓を開けたり閉じたりしてほとんど全匹を外に追い出した。これが大変だった。その後は持ってきていた文庫本を読んだりうとうとしたりして、日が落ちていく。この日はほかに利用者がおらず。

水場は近くにあり、美味しい沢水が出ていた。 

朝は4時に小屋を出発。基本的に降りるだけの一日なので、明るくなるまで小屋でゆっくりしてもいいかもと思ったが、前日の藪漕ぎを考えると速度が出ない区間もあるかなと思い、ヘッデンを付けて早いうちに出発することにした。避難小屋からオモ谷出合までの区間が、予想通り藪漕ぎで、朝露に全身を濡らされた。
避難小屋から北縦走路方面は今回が初歩行なので何とも言い難いが、避難小屋から上の区間は、なんとなく2年前より整備状況が悪化しているように感じる。歩く人はそんなに多くはないだろうから仕方ないのかもしれない。

オモ谷出合のすぐ後にある距離標には三方岩岳まで4.9kmとあったが、上から二重線で消されて、マチガイ!と刻まれていた。実際にこれは間違いで、ここからまだ8kmくらいあった。

妙法山に向けて尾根の上に乗ると、藪漕ぎの雰囲気は急になくなって、よく刈り払われた縦走路に変わった。日の出前の景色も相まってこの辺りの区間は藪漕ぎの後のオアシスという感じで特に良かった。

白山方面は雲のなかに隠れていた。日曜朝まで晴天の予報だった気がしたが、お日の出を見に室堂に泊まった人には残念な結果になってしまったよう。

妙法山の手前にちょっとした池塘あり。水面は凪いでいて雲がきれいに映っていた。

妙法山から振り返る北縦走路の稜線。白山のダイナミックさを感じる良きルートだなと改めて。藪漕ぎの問題はあるけれども。

だんだんと曇り空に変わっていき、黙々と稜線を歩いていく。妙法山の次は野谷荘司山。人の名前っぽい山の名前を挙げるとなると、黒部五郎岳とか野口五郎岳とかが出てくるけど、この野谷荘司山もなかなか。

その隣の馬狩荘司山もなかなか。

そして三方岩岳に到着。一応ここは三百名山で、白山からそのまま縦走してたどり着ける百名山、二百名山、三百名山の別ピークはここ三方岩岳だけ。白山白川郷ホワイトロードからアクセスがいいので、誰かしら登山者がいるかと思ったがついに中宮道分岐から一度もスライドせずだった。

見下ろすのはおそらく白川郷エリアの町並み。

野谷荘司山から三方岩岳に近づいていくときの三方岩岳の見え方がクールだったのに、写真を撮り忘れていた。代わりに白川郷に向かって降りていくときに振り返って撮影。この下りでついに登山者とのスライドがあった、おそらく三方岩岳の往復の方?

ホワイトロードの馬狩料金所に到着、ここからは車道歩きなのでもう一段落という感じ。料金所横の駐車スペースにトイレと自販機があり、休憩にもぴったり。
ここから4.5km歩いて白川郷の湯に入った。11時前に着いたからか、ちょうど大浴場は独り占めで、しかも浴槽だけだと思っていたらサウナもあって最高。湯上がりにはオリジナルのジェラートもまた美味しくて、想像以上に良い温泉だった。

白川郷で外人に道案内できず、気分が落ちた状態でバスに乗って金沢駅へ。時間があったので、駅のゴーゴーカレー総本山でカロリー補給した。美味しかったけど、さすがに食べ過ぎ。

来週の三連休も、天気次第ではあるがまた北陸飛騨、白川郷方面に来るかもしれない。今回は湯涌稲荷に寄れなかったので、その分の寄り道もできればいいけど。

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