カムエクを諦めた弱い男。情けない。
果たして来年にカムエク、ペテガリ岳、神威岳を全部歩くことは叶うのだろうか?
当初の予定では28日に札内川ヒュッテに泊、翌29日の早朝から歩き始めて日帰りでカムエクをピークハント、と思い描いていた。28日に中札内までは来たもののその時点での札内川ダムへの流入量と翌日の天気予報を見て怖気づいてしまった。
代わりに登ることにしたのが、初日に後回しにした余市岳。28日は移動に充てて、層雲峡から苫小牧まで大移動。今朝、日曜日以来に小樽に舞い戻って、キロロリゾートから余市岳を往復、という次第。
の前に、26-28日の細かい穴埋めをすると:
26日、天塩岳下山後にコイン洗車場へ。雨予報だったので旭川に直帰かと思ったが曇天が持ちこたえてくれたので、永山に見つけた洗車場でバイクを洗った。上がBeforeで、
こちらがAfter。水と洗剤で流すだけでもかなり変わる。都内に戻ると全然コイン洗車場がないので、北海道で洗っておくに限る。このあともニセカウの林道があるけどね〜、と思っていたが、
ホテルに戻って調べていたらこれ。25日から通行止め。うそー。
国道からニセカウ登山口への林道は11km以上あるので距離的に徒歩での突破は事実上不可能。(崩壊箇所の写真がSNSに上がっていて、そもそも崩れ方からして歩いて越えるのは無理そうだったが)
24日は晴れ、25日は曇りだったので、ここになにか直接のトリガーがあったとも思えない。調べると一昨年もこの林道は通れなかったようで、いつまでも通れると思うなアプローチ林道… と思いを新たにする。仕方ない、今年はニセカウは断念。
来年また層雲峡エリアに来ることが確定、ただし林道が開通していれば、の話だ。
翌27日、もともとこの日は停滞日として空けていた。朝から雨が降ったり止んだりで、曇りの合間に旭山動物園にやってきた。北海道の山を巡るにあたって旭川はどうしても拠点にしやすく、これまでで都合10泊くらいはしてきている。そうするとこの日のように停滞日がぽつぽつと生まれるのも常で、その度に時間潰しスポットに行くことになり、この旭山動物園もすでに三度目の訪問だった。(去年は神楽岡公園でリスを観察したり🐿️)
旭山動物園は、平日にもかかわらず、なかなか混んでいた。ヒグマが楽しそうに水浴びしていた。(ヒグマはギャラリー多数につき写真撮れず)
この日は層雲峡に移動して泊。層雲峡の手前で強雨に当たるも、層雲峡の屋根付き公共駐車場に滑り込んで水濡れは最小限に抑えられた。
翌28日、本当ならニセカウに行って、中札内まで移動する日。林道がダメになってしまったので、じゃあ黒岳ロープウェイから黒岳、北鎮岳を廻るか〜と思ったらこちらも強風でロープウェイが運行しておらず、断念。次なる代案は十勝幌尻岳とか? などと考えるも、風が強そうだし無理して歩くのもなぁと気乗りせず。寒い中、三国峠、糠平湖と経由してとりあえず南下していく。
中札内の道の駅でから揚げを食べながら変更する予定を練り練り。
計画は全然噛み合わないが、から揚げはそれとは無関係に美味しい。28日=ニワとりの日ということで安くなっていたというプチラッキー。
カムエクに登る人なら必ず見るだろうこの素晴らしいサイト(https://yukinoshingun.com/kamueku-toshou/)、そして札内川ダムの流入量情報(https://info-dam.hdb.hkd.mlit.go.jp/dam/dam_satsunaigawa.htm)を確認しつつ、
29日の曇りのち雨予報を勘案すると、渡渉は100%安全とは言えなさそう。28日は晴れなので29日朝のカムエク往路はたぶん問題ない、ただ下山時はどうなるかわからない。うーん。
迷った末に、断腸の思いでカムエクを断念。渡渉は得意でも慣れているわけでもないので、できれば好天が2日連続する、その2日目に登りたい。29日は、代わりに初日にパスした余市岳へ行くことに。
今年のカムエク要素は、とりあえず下見で。札内川ヒュッテに来た。ピョウタンの滝までは電波が入ったもののヒュッテでは電波入らず。ここまでの道路は綺麗でとても走りやすい。
ヒュッテ内も綺麗。少しトイレ臭がするのはドアが開いていたからか。前泊には問題なさそう。
ヒュッテからトンネルを2つ越え、ここがカムエク登山口。ここから林道歩きを経て沢登りに続いていく。
この日(28日)に入山しているパーティがいくつかあるようで、車が数台泊まっていた。28日は前日の雨の影響か札内川ダムへの流入量が10m3/s前後だった中で、それでも入山している人がちらほら居るのを見るに、自分も翌日行けるんじゃないの?という思いが再燃してくる。心が決まったようでなかなか決まらないのが情けない。
行けるのに諦めてしまったのかもしれない、という引っ掛かりはあるが、まあ少なくとも好天の機会を逃したわけではない、というだけ救いがある、だろうか。これで来年にカムエクへのアプローチが崩落でもしていたら、泣いちゃう。
札内川の水量は、結局29日は終日流入量6~7m3/s台を行き来していたので、カムエクに強行していたとしてもおそらく沢を渡れない程のコンディションにはならなかっただろうと思われる。それでも雨がパラつく天気ではあったので、きっと修行のようなピークハントだったはず。だから断念して正解だったのだ。(無理矢理)
そしてようやく29日(今日)、余市岳。苫小牧からキロロリゾートへ一路。朝に千歳付近で大雨に当たるものの、レインウェアで完全防備していたので事なきを得た。なんとなく、諦めたカムエク付近を見ると雨雲はかかっておらず、やっぱり行けたんじゃないのか? と未だにウジウジ。
キロロ一帯は高級リゾートの趣でアウェイの雰囲気が強く、登山者はゲート手前の空きスペースにこそこそと停めるような形になる。
ゲートには余市岳までの所要時間の目安が書かれているものの、これはアテにしない方が良さそう。健脚の数字と捉えるべき気がする。というのも、余市岳はいま藪漕ぎの山と化していて、おそらくこの所要時間は藪のない時代の数字と考えられるため。
スキー場までは歩きやすい林道、その先で本格的な登山道が開始。一箇所だけ沢を渡るポイントがあり、水量はそこそこあったものの石を選べば水に濡れずに越えられた。
ゴンドラ山頂駅から続く稜線にぶつかる見晴台、その前から笹薮が濃くなり、視界が著しく悪くなった。背丈以上の笹薮の中では、胸の高さに付けた熊鈴の音がこもってしまうのがまた恐ろしく、この状態でヒグマとエンカウントしたらスプレーも遮られるし、どうしようもない。せめてもの対策で、鈴を少し持ち上げてジャラジャラと強めに鳴らして歩いた。
笹薮が一段落したところから余市岳の頂上部分を見る。曇天ではあるものの頂上までの視界は良好。遠目から見ると登山ルートが分かりやすいのに、これが実際にその場に着くと高い笹で全然道が分からないというのだから不思議だ。
羊蹄山を眺める、余市岳の頂上に到着。ニセコアンヌプリをはじめとする連山も曇天下とはいえシルエットはよく見えた。登山者とのスライドは計2回。頂上直下は藪はなく、その手前付近から2kmの区間(往復で4km)で特に藪が目立つ、という状態だった。
自宅にある三百名山のガイドブックでは、余市岳は初級扱いになっていて、これは夏期のキロロゴンドラの運行を前提にしているのだが、おそらくこの先、当面は夏にゴンドラが動くことはないのだろうなと思う。従い、稜線の登山ルートの整備もされることは期待薄で、余市岳に登るなら年々濃くなっていく笹薮を我慢して突破するか、あるいは冬の好天を待って、スキー場からスノーシューorスキーで登るということになるのだろう。夏期の藪漕ぎ登山であれば、初級のグレーディングは適切ではなく、ヒグマのリスクも織り込めば中級以上向けと言えそう。
今日は小樽に泊。明日の夕方に苫小牧を出るフェリーで大洗に戻る旅程だが、明日もまた天気が芳しくないので、夕方までをどう過ごすかで思案中。樽前山も藻岩山も登ったことがあり、再訪の欲はあまりない。じゃあ手稲山とか? おたる水族館という案も。何にせよ、これで2025年の夏の北海道遠征は一段落で、総合的には消化不良、天候の影響が主因とはいえ5日間の休みを取って4峰しか登れなかったんじゃあダメダメだよう、という評価です。(計画した中では、ニセカウとカムエクに行けず)
二百、三百名山の制覇のために来夏も北海道には来ることになりそうで、来年は天気、林道開通状況、諸々が噛み合ってくれることを祈るばかり。
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