夢を見た。秋の夢。草紅葉の景色だっただろうか。道を歩いていた。しばらくして場面が変わった。周囲の草の背丈がほんの少し伸びて、これはススキだろうかと思われた。ススキの海の中を、ぐるぐるふらふらと歩いている姿を、俯瞰的に見ている。そんな夢だった。日は少し傾いて、薄雲がかかっていたのかぼんやりとした陽光だった。金色のイメージが厚く残った。
8月の終わりから9月の頭にかけて、奇妙に凄惨な夢をよく見た。見知らぬ赤子が死に、近親者が死ぬ夢だった。ほとんど毎日のことだった。最近読んでいた小説数冊が影響したのだろうか。それゆえに、久しぶりに見た平和な夢の景色は心に残って、週末に晴天の山を探した。
夢通りにするなら、微妙に晴れきらないところが良かったかもしれないし、何だったら山でなくても良かったかもしれない。それでも、鳥海山に決めた。4年前、山を始めた初期の頃に一度登った山だった。バイクでは遠いので、列車に揺られて、祓川から吹浦に降りることにした。下りかけの頃にようやく見た草紅葉、それだけは夢の中の金色の景色を僅かに想起させた。しかし、残暑厳しい、総じて夏の山だった。好天に汗をかく、それは悪いことではないが、自分で自分を騙したような後味が残った。
竜ヶ原湿原
竜胆の咲く季節
土曜、晴天の午後、新山の頂から
唐獅子平に泊まった
日の光は峰の向こうに落ちたか雲の中に隠れたか
未明に発ち、満月の月明かりの中それでもオリオン座は際立つ
日が昇る
モルゲンロートと満月
夢の色はこのような色だった
イワギキョウ
日本海に落ちる鳥海山の影
岩手山、早池峰…遠くの山まで見渡せる
岩の塔のような中央火口丘
外輪山のアルペン的な切れ落ち方が美しい
イワギキョウ群生
心字雪渓を上から…初秋にもう文字の面影はない
鳥海湖へ登り返す
鳥海湖
秋はまだまだ入り口でしかないか
そのすぐ後ろに、しかし咲き残っていたとは
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