白馬岳・小蓮華山・雪倉岳

いつの間にやら半月以上経ってしまった。梅雨明けの北アルプス、快晴だった。朝日小屋が営業していないので今年は白馬・雪倉は行かないと思っていたのだけどな(他人事?)。

梅雨明けの予感する天気予報を見て木曜の在宅勤務中に白馬村にTel。人数制限してるとかでテント場はもう満員、思案して、村営の響きに惹かれ今回はそのまま頂上宿舎で素泊まりにすることにした。シュラフカバーorシュラフを持参と言われへいへいという気持ち。とりあえず言っとけやらせとけの無根拠感染症対策は馬鹿にしている。

出かけに首都高で豪雨に当たり一瞬でずぶ濡れ(レインウェアは着ていたが)。埼玉北部で雨雲をかわす。雲の切れ間に梅雨の尻尾かな?と期待大(この時点では梅雨明けの報は出ていなかった)。横川で給油。瑞牆山に行くというDucati乗りと少し話した。佐久から信州峠を回すのだろうか。いい道だよね。

長野ICで下りて白馬村へ。猿倉への県道は2年前の夏以来。麓のローソンは綺麗さっぱりにパン類が売り切れていて察しやすい。カレーメシとカロリーメイトを買い込んで出発(シーズンは3番目に遠いコンビニで買い出ししないとダメだ)。登山届出すところで雪倉は辞めたほうがいいという謎のアドバイスを受ける(トラバースで道を失うだとか)。トラバースはもう5歩の距離にまで雪解けていたが…。



猿倉から1時間くらい、雪渓の尻尾に辿り着いてアイゼンを履く。今回はいつもの10本爪でなく6本爪。


ところどころガスっていて面白い。ぬっと先行者が現れるので少し驚く。


頭の方に来るとガスは薄め。雪渓は総じて歩きやすい(ルート案内などによっては雪渓が最難というような記載のあるものもあるがそれは誤りだと思う、雪渓以降の登りがきつい)。

そう、雪渓以降の登りがきつい…。ガスのおかげで気温は抑えられていて助かった。例年より人は少ないのだろうが、それでも追い越しの絶対数が多い山なのでそこもストレスフル。


両足攣らせながら頂上宿舎到着。山の中間部はガスが強く、上の方ではガスを抜けられたり時折また降ってきたり。指定の水場でなく、宿舎から15mくらい下りたところにある湧き水放水ホースで給水して生き返る。後でよく見たらホースの先には水たまりがあるだけのようで(つまり菌などウヨウヨ?)、純粋に雪解け水なのだなと見たことを後悔したが山上でのアドレナリンが出てたのか何ともなかった。


部屋は浅間。とりあえず荷物を置く。感染症のおかげで最低でも1人置きに寝場所を指定されるのが、パーソナルスペース極大の人間にとってはありがたいことこの上ない。早朝出発勢も気が楽であろう。

義務感に駆られ頂上タッチ。壊れてしまっていた(?)ようで、黄色い「白馬岳」の看板は見られなかった。

飛行機雲を見上げる人々の図。飛行機雲がHを描いていたのは少し笑った。

白馬鑓ヶ岳方面の鞍部へ降りていく人の後ろ姿。

テント場、見ると制限してるとはいえ結構頑張って詰め込んでいるのだなという印象(例年が異常と言うべきか)。天気至上主義(?)なのでこういうときほぼ間違いなく予約を取れない。


!!!

幕営に思いを馳せるライチョウさん…

ライチョウ母子は計3羽の群だった。

夏山は午前中、というのは前提として、午後に昇ってきた雲の形も(暴れ狂ってるみたいで)上手くいけば見てて楽しい。
カレーメシをかきこんで早めに就寝。浅間の同室は5名ほど、だったかな。例年ならフルで20人は入る部屋。

/////

翌朝は3時半過ぎに出発。夜中ポツポツと屋根に当たる音が響き嫌な予感がしていたものの宿舎を出ると星空が見えて安心した。


早朝からツアー集団の賑やかなこと。白馬岳から北方は快晴(南方は早朝少しガスが流れていた)。

白馬岳山頂は人混みと読み、小蓮華山まで少し歩くことにした。頸城山塊、妙高山の肩からご来光。夏至に登った白山のときとは時間も遅くなり5時少し前の日の出。


赤色山体。

小蓮華山への稜線が眩しい。

朝日が少しずつ当たる雪倉岳、朝日岳への稜線。

小蓮華山への登り返しは特に歩きやすい。


剣の刺さった小蓮華山山頂。のり巻き2本を食べて簡単な朝食とした。

振り返ると後立山連峰の大絶景。右から白馬岳&ほか白馬三山、そして唐松岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳と続いていく…。稜線からは目を凝らすと槍の穂先も見えた。北ア最北の大展望台。

梅雨明けを待っていたのだろう、小屋への資材搬入を行うヘリが午前中頻繁に往復していた。遭難などでお世話になりたくはないね。

三国境⇔小蓮華山ピストンの後は、雪倉岳へ進路変更。分岐には朝日小屋が営業していないという案内がうるさく、おかげでこちら側に下りてくる人は極めて少なかった(どうせ麓でも行くなと言い続けているのだろうね)。


遠目からなら雪はほとんど溶けていて、視界も良好につき(雪倉ピストンは)問題はなしと判断。左の鉢ヶ岳は巻いて右の雪倉岳へ歩く。鉢ヶ岳も歩けるのだろうがルート指示がないのと登り返しを嫌って往復ともに止めた。


お花畑。ハイシーズンの中のハイシーズンだが雪倉・朝日ネガキャン(?)のおかげで人が少なく本当に助かる。

雪倉岳避難小屋と雪倉岳全体像。どこを歩いても良さそうな雄大な鞍部を広げている。


雪倉岳避難小屋に到着。ここからの登り返しがラストスパート。30分くらいかけて歩く。


二百名山雪倉岳。早くも霞がかかってきたのが分かる…が何とか北アルプスの大展望を拝めた。右手側奥方に影が見えるのは剱岳。

稜線は朝日岳へと続いていく。朝日小屋が動いていれば幕営、翌日に蓮華温泉周りで麓へという2泊3日の行程も有り得た(有給取ってなかったが)。さすがに朝日岳まで歩いてのピストンは体力&日程的に無理。

 
後立山連峰最高峰の白馬岳まで標高を上げて、そこから下山しないといけない。鉢ヶ岳を巻いた先までは良し、そこから三国境までのアップがキツかった。三国境で息を整え踏ん張りもう三度目の白馬岳山頂はほぼスルー、で猿倉方面へ急いだ。

ちなみに雪倉ピストンでの雪渓越えはこの一箇所だけ。拍子抜けにも程がある。

夏山は朝が勝負。すぐに雲が昇ってきて展望が遮られてしまう(これはこれで見応えありだが)。


宿舎の先の冷水を連日で浴びて、最後の行動食(?)に残していた柿の種を頬張り稜線を離れた。上の方に転がる巨岩の赤い紋様は過去の氷河の証とか。上は晴れがちだったが下りるにつれガスが増してきた。雪渓の途中でガスを振り払う。


雪渓下りはスピードを稼げる場所。6本爪で多少心許ないがザクザク下りていく。雪山歩行の経験があるかないかでだいぶスピードが変わるだろう。むしろ雪渓距離の長い梅雨晴れのタイミングなどを狙ったほうが行動時間は稼げるかもしれない。

猿倉からはひとまず日本海側、糸魚川へ抜け、とくに明確なアテもなく海沿いにCRFを走らせた。車の数はそこそこ。山側は午後にもなればすっかり雲の中だったが海側は青空が強い。米山大橋の先で曲がって青海川駅に来た。日の入りまでここに居ようかと思案、しかし直に車が集まり始め撤退した。駅から少し上がったところにある道端で海を見ていたが、太陽は厚めの雲に隠れてしまった。致し方なしで発進、小千谷まで内陸をショートカットして関越に乗る。赤城高原でカツカレー。帰宅はギリギリ日付をまたいでいたかな。充実度高い土日だった(翌日出勤でかなりヘビーだったが)。

以上。

コメント