1月は仕事に追われ、結局年始の榛名山・赤城山以降はどこにも行けなかった。カレンダー通りに休日は取れるが、疲れていてどうにも腰が上がらない(仕事の特性上休日とて完全に仕事が停止するわけでないのも大きい)。ちょうど見たい映画の公開も多く、そうこうしているうちに2月になってしまった。仕事はだいぶ落ち着いた。
今月最初の週末は茨城へ向かった。11月に八溝山の林道を走ったばかりではあるが、無性に奥久慈しゃもカレーを食べたくなった。迎えた土曜日は朝から快晴だったが、実家にCRFを拾いに行くのに時間がかかり、外環に入るのは11時過ぎになってしまった。バイクへの物理的な距離が週末の乗りにくさを生んでいるのはずっと明らかだったので、これを機に足立区の近隣に駐車場を契約した。
常磐道の那珂から大子町へ、途中のセイコーマートに激しく心を揺さぶられる。HOT CHEFの引力は凄まじい。大子の道の駅に着くと、以前たくさん並んでいたガルパンの幟が尽く撤去されているのを知る。レストランはこの道の駅に併設されている。ありついたカレーライスは、しゃも肉がごろごろ入っていてたしかに美味しかったが、一方で別々に食べているのとさほど変わりないのではという印象も残った。どんなカレーもカレーであれば及第点はつくという満たされきらない感想とともに道の駅を発った。
明神峠をぎりぎり越えず、東北地方には入らない(東北地方最南端にあたる)。のんびり海沿いまで流して、阿字ヶ浦から大洗へ抜けた。腰を据えて巡礼しようという気にはなれない町だが、走り回っているだけで舞台を巡れているので楽ではある。たらし焼とあんこう鍋はいつか食べたい。
最後に行くのに涸沼と霞ヶ浦で迷い、勝手を知る霞ヶ浦を選んだ。日没に全然間に合わず、太陽が沈んでからの到着だったが、ちょうど黄昏時で西の空の色がとても綺麗だった。秋に利根川沿い、我孫子経由で帰ったのを思い出し、今回は東関東道から首都高へ繋いで帰った。
続く週末も好天の予報だったので、西の方へCRFを走らせた。佐久間ダムのカレーと三ヶ日のみかん畑が目的である。今回は時間に余裕をもって出発したが、大橋JCTの工事渋滞に狂わされてしまった。山手トンネルで待ちを喰らうのは(いくら冬とはいえ)避けたいと考え、都心環状線から渋谷線へ入る頭脳プレーを披露したが渋滞が酷いのは同じことだった。高樹町から池尻までの数キロに1時間以上かかる歴史的な動かなさで、余程すり抜けしてしまおうかと迷ったが、どうも都市高速ではやる気になれない妙なプライドが邪魔し心行くまで車列を堪能した。
浜北から佐久間ダムへはすんなり辿り着いたが、ダム湖沿いをぐねぐねと巻いて走る県道1号線が予想以上の曲者で、時計に背中を押され泣く泣くUターンを敢行し、ダムカレーを諦めた。道自体はとても良く、展望含めてオフ車で走るのが楽しいところだったのは収穫である。地理的には離れるが川根本町もきっと同じような風景が待つのだろう、近いうちに走りたい。
日の沈む前に海辺へ、と南へスピードを上げたが、またも日没に間に合わなかった。ついこの前、年末にも訪れた国道1号線の大倉戸インター先の海岸で、色の変わる西の空を眺めながら持参したりんごを食べた(一時50個近くあったりんごも残り10個ほど…)。強風に剥いた皮が飛ばされていってしまうのが難儀で、阿呆らしさに笑えた。満月の明るい夜でも、澄んだ空に目ぼしい星は全て見えた。Skyマップを空に掲げると天文部に所属していた頃を思い出す。
翌朝も同じ浜辺にやってきた。方角上西日は途中までしか見えないが(見切るには伊良湖まで行くべきだろう)、反面日の出はよく見える。晩と同じようにりんごを食べようとするが手が凍ったように冷たく、ナイフの扱いに気を遣う。極寒の中波打ち際に竿を投げる釣り人が多い。
奥浜名、三ヶ日を徘徊し、みかん畑の風景を探した。枯木が山を賑わせている中オレンジ色の実がついたり落ちたりしているのは異色だった。みっかびみかんの語感が好きである。帰りの渋滞を懸念して早めに新東名に乗った。
▼みかん畑
そのまま帰っても良かったがさすがにまだ時間があったので、思い切って富士川沿いに身延方面へ寄り道することにした。意外にも52号線は未走行の道路だった(二桁国道では唯一か)。南部町手前まで富士山がちらちら見え隠れするのが趣深い。
谷へ降りてくる二輪車を数台確認し、安心して本栖湖方面へ国道を曲がった。凍結箇所はないが山間のワインディングはさすがに寒い。佐久間ダム近辺ともやはり格段に異なっている。例のトンネルの先で、富士山は雲を全く寄せ付けておらず、圧巻だった。実写ゆるキャンの効果なのか湖岸はキャンパーでひしめき合っている(2年前より酷い)。顔をしかめて精進湖に行くと一転して落ち着いた雰囲気が残っており安心した。湖畔で持参した最後のりんごを食べ、河口湖から中央道に入って早い帰宅とした。
りんごを持参したので各地で写真を撮った。
コメント
コメントを投稿