今年はもともと雪山の経験を積みたいと考えていたので、年始の残りの休みで簡単な雪山へ行ってみるというのを思いついた。出発前夜にアイゼンを購入したが、自宅で合わせてみると明らかに小さく、残念ながら暖冬を信じて冬山装備ゼロで出発することになった。
当初は何となく磐梯山が頭に浮かんでいたが、南東北の天気が芳しくないのとさすがに装備が足りないという危惧で、別の候補を探した。地図を眺めていると上越路を挟んで並ぶ赤城山、榛名山が目に入った。適当な選択ではあるが逆に雪が全くなくてつまらないくらいではと舐めたことを考えていた。
榛名山は榛名富士の入口近くは良かったが榛名湖沿いに進むと、ちょうど県道の分岐近くで路面がアイスバーンになっていた。ある意味、予想通りに暖冬の影響がよく表れていた。パッと見で危ないと判断し、少し手前の駐車場まで引き返した。
▼伊香保の温泉街には雪などまるでなかったが、榛名山へ上っていくと路肩に現れ始めた
「榛名山」と呼ばれる山域の最高峰である掃部ヶ岳(かもんがたけ)を登った。県道の路面同様、登山道も新雪のような感触はほとんどなく、終始凍結して歩きにくい斜面になっていた。標高差は数百メートル程度だがなかなかに息が上がる。山頂は浅間山方面に展望が開けていて清々しかったが、カップルが談笑していたので空気を読んですぐに去った。榛名富士と榛名湖を見下ろせる硯岩で静かに軽食をとった。その後、何度か軽く滑落しつつ下山した。
▼木製の階段も薄く氷がかっているようで気を抜くと簡単に滑る。だからといって脇の雪の箇所が歩きやすいかというとこちらも雪というより氷に近い状態になっているので危ない
登山前に引き返したアイスバーン区間は数十メートル程度だったので、意を決してCRFで乗り越えることにした。無事に過ぎたすぐ後、裏榛名はもっと凍結しており冷や汗をかいたが、それも奇跡に近い業で乗り越えた(後輪が僅かに滑ることはあったが割とグリップしてくれた)。
吾妻線沿線にポツンとあるかけ流しの温泉施設で汗を流した(富貴の湯)。
翌朝、日の出前に赤城山へ向かった。言うに及ばず、凍結はひどかったが(雪もちらついていた)、前日の経験が気を大きくしていたのか躊躇うことをしなかった。大沼手前にCRFを止め、地蔵岳の登山口を探した。最高峰の黒檜山にしなかったのは、日の出までさほど時間が無かったので短時間で登れるピークにしようという判断からだったが、黒檜山は雲を被っていたので結果的に英断だった。
榛名山より雪の山らしく、足の下に感じるのはふわふわとした新雪で、登りはアイゼン無しでも快調に進めた(下りではやはり何度か滑った)。日の出には間に合った。
▼地蔵岳の山頂で1時間強待っていたが、黒檜山にかかったガスはついに晴れなかった
▼地蔵岳山頂は東、南の方角がよく開けていて関東平野が一望できる
下山後、ここまで来れたのだからと色気を出して大沼一周を画策したのが愚かだった。周回まで残り僅かという地点、上り坂に勢いを失ったCRFのスロットルを回すと見事に後輪が右方向へ流れ、あっさり転倒した。起こそうにも足下が覚束ず、力を入れることができない(踏ん張ると滑る)という絶望的な状況だった。横倒しになったCRFがそのままつるつる滑っていくのはとても間抜けな絵面で、若干笑えた。
シートバッグを外し、路面に近くから持ってきた新雪を巻いて簡易の足場をつくり、ついに立て直したが、一時は立ち往生かと真剣に焦った。湖畔一周までもう少しだったが、大人しく辿ってきた道を引き返すことにした(引き返す途中でもう一度転倒した)。慎重に麓へ下り、富士見町の温泉へ行った。入浴施設が併設されている道の駅のコンテストで優勝した場所らしい(道の駅ふじみ)。
Uターンラッシュを懸念し、早めに帰路についた。転倒と関係があるか分からないが、普通の路面でもやや後輪が流れる感覚が残っている。タイヤの溝はあるので、単に気圧の問題だろうか。まだ試してはいないが、大きな問題でないと良い。
◆2020年登山計画
赤城山(地蔵岳)☑
赤城山(黒檜山)
那須岳
磐梯山
岩手山・秋田駒ヶ岳
火打山・新潟焼山
平ヶ岳・浅草岳・守門岳
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飯豊山
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